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更新が途切れつつながら必死に何かに喰らいつこうとする高房のブログ 時々短編も書くよ!
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男はいつもテレビを見ていた。
見ているチャンネルや番組はいつも違う。
最初は何も考えずにただ、ボーッとテレビを見ているのかと思っていた。
だが、横から変えてやろうとすると頑なに拒否する。

男にしてみれば今までもちゃんと見ていたらしい。
ただ一度見た番組には二度と興味を示そうとしないだけで、
見るときは毎週お気に入りの番組をテレビにかじりついて
見る子どものように熱心に。
……そして、それが終わるとまるでつまらなかったとでも
言いたそうにすぐにチャンネルを変えるか、電源を切る。

そのあまりにも異様な習慣に一度は収まった興味心が
また湧き上がってしまった。

だから観察は止めて直接話を聞いてみた。
すると

「もしかしたらテレビから人が出てくることがあるかもしれないじゃないか」
男は本を持ち出しながら自分の夢のように語り出した。

……要約すると小説に感化されて、様々なテレビを見ていれば、
テレビから異世界人飛び出してくるという
夢のような夢物語が起きるのを待っているらしい。

馬鹿だなと思った。
実行する男も、それを見ていた自分も。

がっかりした。
――色んな意味でがっかりした。

私が居るということだけでは男は満足しないらしい。

呆れた。

――それでも未だに男に付き合って隣で
テレビを見る私は、生前お人よしか、馬鹿だったに違いない。

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梅雨が終わり、せみが日の光を浴びながら、一生懸命に
鳴き始めた頃、僕は作戦を決行した。

教師たちが来る前に前日開けておいた窓から入る。
廊下には自分の足音だけが響いている。
時間も早いので外もまだ薄暗く、校内の不気味な雰囲気を
作り出していた。

階段を上り二階へ。そして職員室にたどり着く。
職員室は特に厳重にセキュリティがされてあるが、その「厳重」は
自分のような生徒がこの時間に学校に侵入できるようなレベルの
セキュリティからみての「厳重」なので頭を使えば簡単に出入りできる。

職員室のドアはボタンを押して10桁の数字を入れて教頭が初めに
開ける。そこで僕はドアの反対側の棚に小型のカメラを置いた。
教頭のはげ頭越しにボタンが良く見えた。
3ヶ月続けたがカメラはだれにも見つからなかった。
カメラを隠した棚は誰にも使われることがなく来年には捨ててしまおう
と言われていた棚だった。だからそんな所にカメラがあるなんて
分かるわけが無かった。
そしてその三ヶ月でドアをあけるパスワードと一ヶ月ごとにパスワードを
かえることの二つが分かった。

事前に調べた10桁のパスワードを入れる。
・・・ガチャッ
ドアはすんなり開き、中からコーヒーの匂いを漂わせた。

ホントに間抜けな学校だ

準備が整い、ドアをロックして次は屋上へと向かう。
ここにも鍵がかかっていたが職員室から持ってきていた鍵の束から
一つ見つけて鍵を開けた。

空はまだ太陽が上がりきっておらず、自分の視線の高さと平行に並んでいた。
そのきれいな赤に少し感動していた。
そしてそれが雲に隠れたとき決心した。
もう後にはもどれない。
戻りたいなんて少しも思わないが。

腐っていた。本当に腐っていた学校だった。勉強なんかろくにせず、
話しをしながら菓子を食べる生徒を注意するでもなく見てみぬ振りを
する教師たち。そしてそれに付け込んでさらに暴走する生徒たち。
「動物園」ここを比喩するのにこれ以上適切なものがあるだろうか。

いつしか僕はこんなことしか思いつかなくなった。
こんなやつら生きていて意味があるのか?
将来僕はこんなやつらと生きていかなくちゃならないのか?
絶対いやだ、そんなこと認めない。
そうなるくらいなら生きていかなくていい。
・・・違う。別に自分が死ななくていいじゃないか。
あいつらが死ねば僕は死ななくてすむ。
消せばいい・・・やつらさえ・・・いなくなれば

気が付けば太陽も少し上がり、校庭に生徒たちの姿があった。
腕時計を見れば8:15だった。
8:20から作戦を実行する。手に持ったスイッチを押して。
段々時間が迫っている。それに連れて自分が緊張しているのが
分かった。残り一分。覚悟を決める。

8:20きっかりにスイッチを押した。その瞬間二階の職員室の
窓ガラスが弾けとんだ。そしてそこから黒い煙が上がるのを見て、
屋上のドアを開けた。

職員室に仕掛けたのは爆弾だった。爆弾の作り方などはネット調べた。
爆弾の作り方なんかがこんな子供でも調べられてしまうのだから
ネットとは恐ろしいものである。
8:20に爆発させた理由は職員室にもっとも先生が集まる事柄が
あるからだ。・・・そう朝礼だ。
作戦を完了させるにはなるだけ先生などの大人は排除しておいた
ほうが良かった。それに爆弾を作るための材料も手に入りにくい。
そこで爆弾を職員室につけたのだ。

ガラスが落ちて地面で粉々になる音に混じって、パニックになった
生徒たちの叫び声が聞こえる。
そんな事態に乗じて僕は4階へと降りた。
皆自分のことにしか頭が回らないみたいで僕の手に持っている異様な
ものにも気づいていなかった。
僕の手のマシンガンが一気に2、3人打ち抜いてようやく皆がこちらを見て
僕の存在に気づいた。
僕の姿を見てさらに激しく逃げようとするもの、その場にへたり込んだもの。
様々な反応を見ながら目に映ったものを片っ端から殺して回った。

いつの間にか顔からは緊張がきえて、なぜか笑顔を見せていた。
僕の作戦の目的は・・・すべての学校にいる人を殺すこと。

血に染まった廊下で独りつぶやく。
「サバイバルの始まりだ。どんな形にせよ、最後には誰も生きてはいないけどな」
そういって僕は作戦を再会した。

結局このくさった世界で一番腐ってしまったのは
僕自身だったのかもしれない

私と友人はある山に登っていました。
その山は人の手があまり加わっておらず、道なんてものはありません。
だから草を刈りながら二人で進みます。

私たちは昔大学で登山を経験して以来、時折二人で山に登っていました。
ある日友人から電話が掛かってきて、いい山が見つかったと聞き
今日、その山に来たという運びである。
友人の言っていたとおり、確かに登り応えのある山だった。
いままでのどの山よりも厳しいと思ったほどだ。

そんなことを思いながら登っていくと左手には崖、右手には飲み込まれて
しまいそうな深い谷に挟まれた、細い道があった。
谷に落ちないようにするには崖に体を密着させないといけないほど細かった。

先頭に私、後を追って友人が進む形になった。
二十分もしただろうか、そろそろ集中力が切れそうになりそうだと思ったとき、
私の足の地面が割れて、私は谷へとずり落ちた。
私は必死になって割れた足場の隣を掴んだ。
そして友人に助けを求めた。

しかし私が見たのは友人の笑顔だった。
そして友人は私を助ける代わりに話し出した。
ずっと前から私を嫌い、憎んでいたことを。

それを聞きながら私の右腕は段々痺れていく。
私の嫌い、憎む部分を聞こうと思ったが腕に集中していないと手を離して
しまいそうなんでついぞ聞けなかった。

友人は最後に私をこの山の奥深くで殺すために今日誘ったことを言って、
私の手を踏みつけるために足をあげ、思い切り振り下ろした。



私は力も尽きていた右腕を足場から離し振り下ろされた足をかわした。
そして右腕を振り下ろした反動で左腕を伸ばし友人の足を掴んだ。

そして私たち二人はそこの見えない谷へと落ちていった

落ちていく中、私は友人に叫んだ。
「なぜ言わなかった」と
 

目の前にあるのは一つのスイッチ。
世界中の核を発射させる装置だと奴は言った。

本当か、どうかと言われると、99%嘘だろう。
でも今何かしらのスイッチが目の前にある。

チャンスは一回だと言われた。このスイッチを押すか、押さないかは
一回きりだ。一回押すのを止めた以上、二度と押すことはできない。

今まで後悔ばかりだった。いつもチャンスを逃して損ばかりして、
今ここにいるのもそのせいで。

だから・・・今度こそ―――清算しよう、今までを、これまでを。



一日が過ぎた。
見上げれば青く澄んだ空があった。

結局、スイッチは押さなかった。

また勇気が無くて押せなかった。・・・そうなのかもしれない。
でも、今は自分がしてきたことに自分でけりをつけよう、そう決意した。

自分が不幸だから、世界を巻き込もうなんてわがままでしかない。
自分で決めたことに後悔して、嘆いて。
自分以外の人を憎んでいた。

でももう後悔するのは止めた。
結果がどんなに悪くても進もうと決めた。
他人に押し付けるのではなく自分で。


うっそうとした森の道を歩く私は、はるか後ろにある小さな四角い建物から
聞こえた、爆発音と人の断末魔。

私の選択は間違いではなかった。


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1993/06/08
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思い立ったが吉日で始める。工業高校に通う口下手高房が話しを書くブログ。
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